〜あとがき その2〜 ―感想―
こんなとこまでようこそおいで下さいましたパート2!(爆)「あとがきその2」は感想です。
私は本来小説にはあとがきつけて、その時の気分とか忘れないようにしているんですが、
手繰りは話の雰囲気を考えてこうしてあとがきを別に作りました。
その1同様長々と語らせてもらいますので皆様お覚悟を(殴)
■記憶の章
何が書きたかったって、犬の影が被る硅に他ならず。
このシーンの為だけにこの小説始まったといっても過言じゃないです(爆)
基本的に私は小説は脳内で漫画に起こしてから文章にするんですが、この話を考えた時一番最初に出てきたのが
「振り返り様に犬夜叉の影が被る生まれ変わりの男の子」だったのです。
まんま犬が生まれ変わったわけじゃなくて、硅の肉体に硅自身の魂と犬夜叉の魂が共存している形にしたかったのです。
あとは言葉遣いとかで犬との違いを出したかったのですが・・・製作中で悩んだのが、この言葉使い。
和尚に対して敬語を貫くか崩すかめちゃくちゃ悩みましたが、
根本的な違いを出すなら友人とかよほど親しく無い限り敬語でいいかと、今の形に。
硅にとって和尚は尊敬すべき人ですから敬意の意味と、あとはちょっと一線引いちゃっている部分も否めないのです。
あと、かごめと草太の歳の差とか神社の作りとか背景もえらく悩みました;
神社のあの雰囲気とか威圧感って、口で説明できるもんじゃないですからねぇ;
無い脳みそフル回転して書いたのに拙さマックスですorz
■出会いの章
ぶっちゃけ本来なかった章です(爆)手繰りって、実は二話完結の長編ストーリーという予定で打ってたんですよ。
この出逢ったときの回想とかは前半(記憶の章部分)で短めの話として組み込む予定だったんですが・・・
何をとち狂ってこんな話に(滝汗)
そして犬夜叉そっくりの人がかごめを「かごめさん」と呼んでいるのに
激しい違和感を感じながら打っていた事が昨日の事のように思い出されます(笑)
修正の為に読み返していて、笑えるやら妙やらでやたら気持ち悪かった;
■再会の章
一番のメインの章、かなり頑張ったで章(笑)幻想的なシーンが激しく多くて必死だった記憶が;
ここらのシーンが、当時私の大好きだった小説の影響が強いのでそういった面の苦情を大変心配してました;
でもまあ、私その方たちみたいに文章力神様じゃないのでv所詮国語の成績が中の上くらいの普通の文章力しかないですから(ぁ)
幻想的シーンで硅の身体から出た犬の魂の表現と、犬かご再会シーンは必死だったとこナンバー1です。
私は書き手ですからイメージするのはとても簡単ですが、読んで下さっている皆様が分かるようにとなると難しかったです;
上手く想像してもらえる文章か、間違ったイメージをもたれてやしないか、現在進行形でハラハラ(爆)
あと、話の切り方が微妙ですね;当初は硅が焦って出てきたので左右違う靴を履いてきてしまいその様にかごめが笑う、
という締め方だったのですが、この場の雰囲気でこれはねえんじゃね?ということで、いきなり口調切り替え式に(笑)
・・・どっちにしろ強制終了感見え見えで、最後の最後で尻切れトンボ状態に;
それで結果的に過去と未来書くはめになっちゃんです;
■過去の章
話の発端というか、どうやって犬かごが別れたかという話。もとい思い入れの強い章です。
大体18巻の事があってから一ヶ月くらいの時間の経過があって奈落討伐、くらいがいいな(笑)
書き始めのころはもう少し最終決戦の内容もあったんですが、ただでさえ長いのにということで排除。
そしてあえて「誰が奈落を倒したか」ははっきりさせませんでした。なぜなら、誰しもが奈落にトドメをさす可能性があり、
何よりこの話で誰がトドメ刺したかはぶっちゃけどうでもいいやと思ったから(雰囲気ぶち壊し)重要なのは犬かごです!!
この章では、たくさんの曲を聴きよりイメージを膨らましながら製作しました。
特にイメージを膨らませるのによかったのが「1000の言葉」「瞳をとじて」「月光花」ですね。全部別れネタというのが痛い(汗)
私自身、かごめのようにここまで恋焦がれた人を思って泣くという経験がないので妄想力想像力と歌で強く意識して、
雰囲気・感情を思いっきり重視しました。
ちゅーに関してはさせるかどうかを迷いましたが、一応二人はここで永久の別れを覚悟してて、
犬は特に出来るだけかごめの未来の枷にならないよう行動しているので、抱擁だけでぐっと我慢して頂きました。ごめん、犬(爆)
あと、犬と桔梗のシーンで桔梗が「わかった・・・」と言った時点で、実はひっそり犬の魂を自分から開放することを決めていた、という裏ストーリーがあったり;
ここ色んなものが交錯してて書ききれないですね;
でも今更、すっごい18巻の矛盾点を発見してアイタタです;
それはずばり、犬夜叉に生きて笑ってほしいと願ったかごめが、そうあっさり犬を黄泉路に送り出すか!!と言うこと。
一応散々悩んでますけど原作のかごめだったら意地でも、是が非でも止めそうな気がします。絆と生死は別問題です。
桔梗を決して忘れず想う犬夜叉、それで桔梗の元に走っていってしまうのは許せるけど、死なせはしない。
たとえその生涯の隣に自分がいなくても、生きて笑ってほしい。これがかごめの願いのはず。
いくら相手が桔梗でも、それは許しちゃいかんようちのかごめちゃん。
犬かごファンの方、本当に申し訳ない;
■未来の章
超ハイパー難産の末生まれた章(笑)というか只でさえ長いのに予想外の二部にorz
かませ犬燈也とか紫陽花の話長すぎ;でも書きたかったんですから諦めて下さい;
元々、再会の章での硅とかごめのやりとりから、何か付き合っちゃったりしそうとかあらぬ誤解をさせない為、
そしてきっちりみんなを別れさせる為の話でした。
実は打っている途中で気付いたんですが、みんな別れの時だっていうのに「さようなら」って言って無いと思ったんです。
「さよなら」はある種の区切りの言葉。それで気持ちの切り替えも出来ようものを、
犬もかごも(特に言わなきゃならんかった犬は)ここにくるまで一言もそういうのを言っていない。
それじゃ忘れるっていうのちょっと無理じゃないかと思い、そういう「別れ」を用意しました。
そして「絶対謝らせない」も途中で課題にしました。謝るくらいなら最初から言うな会うなと思ったので(爆)
ここでの硅は硅の意見というよりは私の意見で、個人的にはこれが一番妥当な彼らのあり方だと思ってます。
かごめはいくら強い子っていっても、まだ人生経験17年です。
いくら一人でいた時間が長かったとはいえ、三百年あまりを生きてきた犬夜叉とは、当然ながら生まれ変わりに対する接し方や考え方も違うと思います。
かごめは犬夜叉ほど、生まれ変わりを「生まれ変わり」ときっちり別個人で見れるほど強い精神ではないし時間もないのです。普通の子なんです、うちのかごめは。
だから、硅がもう二度と会わないと言ってくれたのは、本当の意味でかごめの中の犬夜叉を「大切に、そして思い出に」できるいい機会なんです。
この章を打ちながら、そういや犬夜叉って最初のころどう思いながらかごめに接していたのかな。と思ってしまいました。
容姿は桔梗そっくりで、でも仕草や性格は全然違うかごめ。頭では分かっていても、ふとした瞬間やっぱり彷彿したんじゃないかな?横顔とかそんなので。
でも実際となりにいるのはかごめで、律儀な犬は切ないやら申し訳ないやらでとっても複雑だったんだろうと。
自分の記憶が微塵もない、性格が変わってしまった恋人が傍にいる気持ちに近いのではないでしょうか?
だからこそ、かごめをかごめとして「全然違う、かごめはかごめだ」と言い切れるようになった犬夜叉って、すごいと思います。普通の人間、そこまで多分割り切れません;
かごめの幸せのために彼女を突き放した犬夜叉と硅。
生まれ変わりを割り切った犬夜叉と割り切れないかごめ。
こういう似た点・似て無い点を書くのってものすごく楽しいです(笑)
各章、皆様はどのように感じましたでしょうか?
特に未来の章は賛否両論色々あると思います。皆様の御意見が是非聞きたいです、それはもう切実に;
ですが、とりあえずこの話をちゃんと形にできて完結できて本当によかったです。もう暫く未練はない、とは言い切れないですが(爆)
私も私の中で一区切りできました。
このあと、彼らは彼らの幸せを辿るでしょう。そしてその答えは読んで下さっている皆様一人ひとりの中にあります。
かごめは、別の誰かを好きになるかもしれません。本当の意味で「犬夜叉」の生まれ変わりのような人と会うかもしれません。
どうなるかは私にも分かりません。
ただ分かって頂きたいのは、私は彼らの幸せをちゃんと祈っているということ。
今は傷や悲しみを忘れられなくても、いつか一瞬でも笑ってくれれば、それで本望です。
かごめに犬夜叉を忘れてほしいんじゃなくて、犬夜叉がかごめを想って切なくなるんじゃなくて、
互いを想ったことを幸せだったと、その幸せを大切にしながら、生きる一瞬に幸せを感じてほしい。
変えられない非情な現実の中で、それでも幸せを掴んで欲しいです。
―― 犬かごと、読んで下さった全ての皆様に
どうか、どうか、幸せがありますように ――
2006年9月某日 來